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「マンション標準管理規約」の改正ポイントはココ!

平成28年3月14日、国土交通省より「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」の改正が公表されました。
では、さっそく今回の改正ポイントを見ていきましょう。

1.「マンションの管理の適正化に関する指針」の主な改正点

1)コミュニティ形成の積極的な取り組みを新たに明記

「前文」と「基本的方向」に、コミュニティ形成の重要性が新たに追加されるとともに、「管理組合が留意すべき基本的事項」に管理費とその他の費用の適切な峻別の留意点が記載されました。

~ 前文 ~

また、マンションにおけるコミュニティ形成は、日常的なトラブルの防止や防災減災、防犯などの観点から重要なものであり、管理組合においても、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)に則り、良好なコミュニティの形成に積極的に取り組むことが望ましい

~ 二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項 ~

7 良好な居住環境の維持及び向上

マンションにおけるコミュニティ形成については、自治会及び町内会等( 以下「自治会」という。)は、管理組合と異なり、各居住者が各自の判断で加入するものであることに留意するとともに、特に管理費の使途については、マンションの管理と自治会活動の範囲・相互関係を整理し、管理費と自治会費の徴収、支出を分けて適切に運用することが必要である。なお、このように適切な峻別や、代行徴収に係る負担の整理が行われるのであれば、自治会費の徴収を代行することや、防災や美化などのマンションの管理業務を自治会が行う活動と連携して行うことも差し支えない

2)外部専門家を活用する場合の留意事項を明記

「基本的方向」と「管理組合が留意すべき基本的事項」に、外部専門家の活用や活用する場合に管理組合が留意すべき事項が記載されました。

~ 一 マンションの管理の適正化の基本的方向 ~

4 さらに、マンションの状況によっては、外部の専門家が、管理組合の管理者等又は役員に就任することも考えられるが、その場合には、マンションの区分所有者等が当該管理者等又は役員の選任や業務の監視等を適正に行うとともに、監視・監督の強化のための措置等を講じることにより適正な業務運営を担保することが重要である。

~ 二 マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項 ~

6 発注等の適正化

管理業務の委託や工事の発注等については、利益相反等に注意して、適正に行われる必要があるが、とりわけ外部の専門家が管理組合の管理者等又は役員に就任する場合においては、マンションの区分所有者等から信頼されるような発注等に係るルールの整備が必要である。

○●○ 「マンション管理の適正化に関する指針」って? ○●○

「マンション管理の適正化に関する指針」は、管理組合によるマンションの適正な管理が行われることが重要であるとの認識の下に、管理組合によるマンションの管理の適正化を推進するため、必要な事項を定めたもので、下記の6項目があります。

  • マンションの管理の適正化の基本的方向
  • マンションの管理の適正化の推進のために管理組合が留意すべき基本的事項
  • マンションの管理の適正化の推進のためにマンションの区分所有者等が留意すべき基本的事項等
  • マンションの管理の適正化の推進のための管理委託に関する基本的事項
  • マンション管理士制度の普及と活用について
  • 国、地方公共団体及びマンション管理適正化推進センターの支援

2.「マンション標準管理規約」の主な改正点

1)外部の専門家の活用

区分所有者の高齢化等による管理組合役員のなり手不足に悩む管理組合は少なくありません。また、マンションの高経年化の進行等による管理の困難化、マンションの高層化・大規模化等による管理の高度化・複雑化が進んでいます。こうした課題に対応する方法の一つが、「外部の専門家の活用」です。
今回の改正では、従来よりもさらに進んで、「外部の専門家が理事や監事に就任して直接管理組合の運営に携わる」ことを想定した規定が新たに明示されました(第35条)。
一方で、外部の専門家を役員に選任することができるようにしたことを踏まえ、役員としての不適格者の排除や業務運営の適正化を図るため、「役員の欠格条項」(第36の2)、「利益相反取引の防止」(第37条の2)、「監事の権限の明確化」(第41条)等の規定が追加されました。

~ 第35条 ~ 役員

<外部専門家を役員として選任できることとする場合>  ※新設

  • 2 理事及び監事は、総会で選任する。
  • 3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。
  • 4 組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める。

~ 第36条の2 ~ 役員の欠格条項  ※新設

次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。

  • 一 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
  • 二 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
  • 三 暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)

~ 第37条の2 ~ 利益相反取引の防止  ※新設

役員は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。

  • 一 役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき。
  • 二 管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき。

~ 第41条 ~ 監事  ※下線部が改正点

監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。

  • 2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる。
  • 3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。
  • 4 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない
  • 5 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。
  • 6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。
  • 7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。
2)駐車場の使用方法

駐車場が全戸分存在しない場合における入れ替え制などの公平な選定方法、空きが生じている駐車場の外部貸しに係る税務上の注意喚起等の解説が追加されました(第15 条関係コメント)。

~ 第15条コメント ~  ※下線部が改正点

(7)駐車場使用者の選定は、最初に使用者を選定する場合には抽選、2回目以降の場合には抽選又は申込順にする等、公平な方法により行うものとする。
また、マンションの状況等によっては、契約期間終了時に入れ替えるという方法又は契約の更新を認めるという方法等について定めることも可能である。例えば、駐車場使用契約に使用期間を設け、期間終了時に公平な方法により入替えを行うこと(定期的な入替え制)が考えられる。
なお、駐車場が全戸分ある場合であっても、平置きか機械式か、屋根付きの区画があるかなど駐車場区画の位置等により利便性・機能性に差異があるような場合には、マンションの具体的な事情に鑑みて、上述の方法による入替えを行うことも考えられる。
駐車場の入替えの実施に当たっては、実施の日時に、各区分所有者が都合を合わせることが必要であるが、それが困難なため実施が難しいという場合については、外部の駐車場等に車を移動させておく等の対策が考えられる。

(8)駐車場が全戸分ない場合等には、駐車場使用料を近傍の同種の駐車場料金と均衡を失しないよう設定すること等により、区分所有者間の公平を確保することが必要である。なお、近傍の同種の駐車場料金との均衡については、利便性の差異も加味して考えることが必要である。また、平置きか機械式か、屋根付きの区画があるかなど駐車場区画の位置等による利便性・機能性の差異や、使用料が高額になっても特定の位置の駐車場区画を希望する者がいる等の状況に応じて、柔軟な料金設定を行うことも考えられる。

3)専有部分等の修繕等

これまで、区分所有者は、その専有部分について、修繕等を行おうとするときは、あらかじめ理事長にその旨を申請し、書面による承認を受けなければならないと規定されていましたが、今回の改正では、「修繕等であって『共用部分又は他の専有部分に影響をあたえるおそれのあるもの』を行おうとするときは」と新たに文言が追加され、書面による承認を必要とする修繕等の対象範囲が限定的に変更されました。(第17条第1項)
また、修繕等の工事後に共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、発注した区分所有者が必要な措置をとることや(第17条第6項)、書面による承認を要しない修繕等であっても、工事の実施期間中に共用部分又は他の専有部分への影響等を管理組合が事前に把握する必要があるものは事前に届け出ること(第17条第7項)、保存行為に関する事項(第21条)等も追加されました。

~ 第17条 ~ 専有部分の修繕等  ※下線部が改正点

    区分所有者は、その専有部分について、修繕、模様替え又は建物に定着する物件の取付け若しくは取替え(以下「修繕等」という。)であって共用部分又は他の専有部分に影響を与えるおそれのあるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長(第35条に定める理事長をいう。以下同じ。)その旨を申請し、書面による承認を受けなければならない。

  • 2 省略
  • 3 理事長は、第1項の規定による申請について、理事会(第51条に定める理事会をいう。以下同じ。)の決議により、その承認又は不承認を決定なければならない。
  • 4 省略
  • 5 省略
  • 6 第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事により共用部分又は他の専有部分に影響が生じた場合は、当該工事を発注した区分所有者の責任と負担により必要な措置をとらなければならない。
  • 7 区分所有者は、第1項の承認を要しない修繕等のうち、工事業者の立入り、工事の資機材の搬入、工事の騒音、振動、臭気等工事の実施中における共用部分又は他の専有部分への影響について管理組合が事前に把握する必要があるものを行おうとするときは、あらかじめ、理事長にその旨を届け出なければならない。

~ 第17条コメント ~  ※下線部が改正点

(7)工事の躯体に与える影響、防火、防音等の影響、耐力計算上の問題、他の住戸への影響等を考慮して、承認するかどうか判断する。考え方については別添2を参照のこと。なお、承認の判断に当たっては、マンションの高経年化に伴い専有部分の修繕等の必要性が増加することも踏まえ、過度な規制とならないようにすること、修繕技術の向上により、新たな工事手法に係る承認申請がされた場合にも、別添2に示された考え方を参考にすればよいことに留意する。なお、工事内容が上下左右の区分所有者に対して著しい影響を与えるおそれがあると判断される場合には、当該区分所有者の同意を必要とすることも考えられる。

(8)承認の申請先等は理事長であるが、承認、不承認の判断はあくまで理事会の決議によるものである(第54条第1項第五号参照)。

(9)なお、老朽化が進む等、近い将来に、建替え若しくはマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)が想定されるマンションにおいて、高額な費用をかけて専有部分の大規模な修繕等を行う区分所有者がいた場合には、その工事から数年後に建替え等の検討が始まると、当該区分所有者にとって二重の出費ともなりかねないほか、合意形成に支障が生ずる可能性がある。このため、近い将来に建替え等の検討の可能性があるマンションにおいては、修繕等について理事長の承認を求めてくる区分所有者に対して、近い将来に建替え等が検討される可能性がある旨の注意喚起を行うことが望ましい。なお、注意喚起があった上で、実際に修繕等を行うか否かはあくまで当該区分所有者の判断である。

(10)~(15) 省略

~ 第21条 ~ 敷地及び共用部分等の管理  ※下線部が改正点

    敷地及び共用部分等の管理については、管理組合がその責任と負担においてこれを行うものとする。ただし、バルコニー等の保存行為(区分所有法第18条第1項ただし書の「保存行為」をいう。以下同じ。)のうち、通常の使用に伴うものについては、専用使用権を有する者がその責任と負担においてこれを行わなければならない。

  • 2 専有部分である設備のうち共用部分と構造上一体となった部分の管理を共用部分の管理と一体として行う必要があるときは、管理組合がこれを行うことができる。
  • 3 区分所有者は、第1項ただし書の場合又はあらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けた場合を除き、敷地及び共用部分等の保存行為を行うことができない。ただし、専有部分の使用に支障が生じている場合に、当該専有部分を所有する区分所有者が行う保存行為の実施が、緊急を要するものであるときは、この限りでない
  • 4 前項の申請及び承認の手続については、第17条第2項、第3項、第5項及び第6項の規定を準用する。ただし、同条第5項中「修繕等」とあるのは「保存行為」と、同条第6項中「第1項の承認を受けた修繕等の工事後に、当該工事」とあるのは「第21条第3項の承認を受けた保存行為後に、当該保存行為」と読み替えるものとする。
  • 5 第3項の規定に違反して保存行為を行った場合には、当該保存行為に要した費用は、当該保存行為を行った区分所有者が負担する。
  • 6 省略

~ 第21条コメント ~  ※新規

9 第3項ただし書は、例えば、台風等で住戸の窓ガラスが割れた場合に、専有部分への雨の吹き込みを防ぐため、割れたものと同様の仕様の窓ガラスに張り替えるというようなケースが該当する。また、第5項は、区分所有法第19条に基づき、規約で別段の定めをするものである。
承認の申請先等は理事長であるが、承認、不承認の判断はあくまで理事会の決議によるものである(第54条第1項第五号参照)。

4)暴力団等の排除規定

「暴力団の構成員に部屋を貸さない、役員になれない」とする条項が整備されました。(第19条の2、第36条の2等)

~ 第19条の2 ~ 暴力団員の排除  ※新規

<専有部分の貸与に関し、暴力団員への貸与を禁止する旨の規約の規定を定める場合>

区分所有者は、その専有部分を第三者に貸与する場合には、前条に定めるもののほか、次に掲げる内容を含む条項をその貸与に係る契約に定めなければならない

  • 一 契約の相手方が暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第六号に規定する暴力団員をいう。以下同じ。)ではないこと及び契約後において暴力団員にならないことを確約すること。
  • 二 契約の相手方が暴力団員であることが判明した場合には、何らの催告を要せずして、区分所有者は当該契約を解約することができること。
  • 三 区分所有者が前号の解約権を行使しないときは、管理組合は、区分所有者に代理して解約権を行使することができること。

2 前項の場合において、区分所有者は、前項第三号による解約権の代理行使を管理組合に認める旨の書面を提出するとともに、契約の相手方に暴力団員ではないこと及び契約後において暴力団員にならないことを確約する旨の誓約書を管理組合に提出させなければならない。

5)災害等の場合の管理組合の意思決定

緊急時における補修などの保存行為は理事長が単独で判断できること(第21条第6項)や、緊急時の応急修繕は理事会で決定できること(第54条第1項第十号)等が新たに規定されました。
なお、緊急対応が必要となる災害の範囲としては、地震・台風・集中豪雨・竜巻・落雷・豪雪・噴火などが挙げられています。

~ 第21条 ~ 敷地及び共用部分等の管理  ※新設

6 理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共用部分等の必要な保存行為を行うことができる

~ 第21条コメント ~  ※新設

(11)災害等の緊急時において、保存行為を超える応急的な修繕行為の実施が必要であるが、総会の開催が困難である場合には、理事会においてその実施を決定することができることとしている(第54条第1項第十号及びコメント第54条関係(1)を参照。)。しかし、大規模な災害や突発的な被災では、理事会の開催も困難な場合があることから、そのような場合には、保存行為に限らず、応急的な修繕行為の実施まで理事長単独で判断し実施することができる旨を、規約において定めることも考えられる。更に、理事長をはじめとする役員が対応できない事態に備え、あらかじめ定められた方法により選任された区分所有者等の判断により保存行為や応急的な修繕行為を実施することができる旨を、規約において定めることも考えられる。なお、理事長等が単独で判断し実施することができる保存行為や応急的な修繕行為に要する費用の限度額について、予め定めておくことも考えられる。

~ 第54条 ~ 敷地及び共用部分等の管理  ※下線部が改正点

理事会は、この規約に別に定めるもののほか、次の各号に掲げる事項を決議する。

災害等により総会の開催が困難である場合における応急的な修繕工事の実施等

2 第48条の規定にかかわらず、理事会は、前項第十号の決議をした場合においては、当該決議に係る応急的な修繕工事の実施に充てるための資金の借入れ及び修繕積立金の取崩しについて決議することができる。

~ 第58条 ~ 収支予算の作成及び変更  ※新設

5 理事会が第54条第1項第十号の決議をした場合には、理事長は、同条第2項の決議に基づき、その支出を行うことができる

6 理事長は、第21条第6項の規定に基づき、敷地及び共用部分等の保存行為を行う場合には、そのために必要な支出を行うことができる

6)緊急時の理事等の立入り

災害や事故が発生した場合の緊急避難措置として、理事長が専有部分に立ち入ることができることができる旨、規定されました。(第23条、第23条コメント)

~ 第23条 ~  ※新設

4 前3項の規定にかかわらず、理事長は、災害、事故等が発生した場合であって、緊急に立ち入らないと共用部分等又は他の専有部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがあるときは、専有部分又は専用使用部分に自ら立ち入り、又は委任した者に立ち入らせることができる。

~ 第23条コメント ~  ※新設

(1)第4項の緊急の立入りが認められるのは、災害時等における共用部分に係る緊急的な工事に伴い必要な場合や、専有部分における大規模な水漏れ等、そのまま放置すれば、他の専有部分や共用部分に対して物理的に又は機能上重大な影響を与えるおそれがある場合に限られるものである。

7)コミュニティ条項等の再整理

マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限りにおいて可能であるとする一方で、これまで第27条第十号に掲げる管理費の使途及び第32条の管理組合の業務として規定されていた 「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成(に要する費用)」は削除されました。

~ 第27条コメント ~  ※新設

(2)従来、本条第十号に掲げる管理費の使途及び第32条の管理組合の業務として、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成(に要する費用)」が掲げられていた。これは、日常的なトラブルの未然防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するコミュニティ形成について、マンションの管理という管理組合の目的の範囲内で行われることを前提に規定していたものである。しかしながら、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成」との表現には、定義のあいまいさから拡大解釈の懸念があり、とりわけ、管理組合と自治会、町内会等とを混同することにより、自治会費を管理費として一体で徴収し自治会費を払っている事例や、自治会的な活動への管理費の支出をめぐる意見対立やトラブル等が生じている実態もあった。一方、管理組合による従来の活動の中でいわゆるコミュニティ活動と称して行われていたもののうち、例えば、マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが区分所有法第3条に定める管理組合の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限りにおいて可能である。
以上を明確にするため、第十号及び第32条第十五号を削除するとともに、第32条第十二号を「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」と改めることとした。
また、従来、第十二号に「その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用」が掲げられていたが、第32条に定める業務との関連が不明確であったことから、「その他第32条に定める業務に要する費用(次条に規定する経費を除く。)」と改めることとした。上述の第32条第十二号の業務に要する費用は、本号あるいは別の号の経費として支出することが可能である。

8)議決権割合

新築物件における選択肢として、総会の議決権(及び譲渡契約時の敷地の持ち分割合)について、住戸の価値割合に連動した設定も考えられる旨の解説が追加されました。(第46条関係コメント)

9)理事会の代理出席

理事会への理事の代理出席について、従来のコメントでは、「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族に限り、代理出席を認める旨を規約に定めることもできる。」とされていましたが、理事会の議決有効性を巡るトラブル防止のため、今回の改正では「あらかじめ代理する者を定めておく」「議決権行使書による表決を認める」等が望ましいとの文言が追加されました。(第53条関係コメント)

~ 第53条コメント ~  ※新設

(1)理事は、総会で選任され、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとされている。このため、理事会には本人が出席して、議論に参加し、議決権を行使することが求められる。

(2)したがって、理事の代理出席(議決権の代理行使を含む。以下同じ。)を、規約において認める旨の明文の規定がない場合に認めることは適当でない

(3)「理事に事故があり、理事会に出席できない場合は、その配偶者又は一親等の親族(理事が、組合員である法人の職務命令により理事となった者である場合は、法人が推挙する者)に限り、代理出席を認める」旨を定める規約の規定は有効であると解されるが、あくまで、やむを得ない場合の代理出席を認めるものであることに留意が必要である。この場合においても、あらかじめ、総会において、それぞれの理事ごとに、理事の職務を代理するにふさわしい資質・能力を有するか否かを審議の上、その職務を代理する者を定めておくことが望ましい。
なお、外部専門家など当人の個人的資質や能力等に着目して選任されている理事については、代理出席を認めることは適当でない

(4)理事がやむを得ず欠席する場合には、代理出席によるのではなく、事前に議決権行使書又は意見を記載した書面を出せるようにすることが考えられる。これを認める場合には、理事会に出席できない理事が、あらかじめ通知された事項について、書面をもって表決することを認める旨を、規約の明文の規定で定めることが必要である

(5)理事会に出席できない理事について、インターネット技術によるテレビ会議等での理事会参加や議決権行使を認める旨を、規約において定めることも考えられる。

(6)第2項は、本来、(1)のとおり、理事会には理事本人が出席して相互に議論することが望ましいところ、例外的に、第54条第1項第五号に掲げる事項については、申請数が多いことが想定され、かつ、迅速な審査を要するものであることから、書面又は電磁的方法(電子メール等)による決議を可能とするものである。

(7) 第3項については、第37条の2関係を参照のこと。

10)管理費等の滞納に対する措置

管理費等の徴収に関して、新たに「管理組合は、納付すべき金額を納付しない組合員に対し、督促を行うなど、必要な措置を講ずるものとする」との規定が追加されました。(第60条第3項)
また、管理組合が滞納者に対してとり得る各種の措置について、段階的にまとめたフローチャート等が提示されました。(別添3)

~ 第60条 ~  ※新設

3 管理組合は、納付すべき金額を納付しない組合員に対し、督促を行うなど、必要な措置を講ずるものとする。

~ 第60条コメント ~  ※新設

(3)管理費等の確実な徴収は、管理組合がマンションの適正な管理を行う上での根幹的な事項である。管理費等の滞納は、管理組合の会計に悪影響を及ぼすのはもちろんのこと、他の区分所有者への負担転嫁等の弊害もあることから、滞納された管理費等の回収は極めて重要であり、管理費等の滞納者に対する必要な措置を講じることは、管理組合(理事長)の最も重要な職務の一つであるといえる。管理組合が滞納者に対してとり得る各種の措置について段階的にまとめたフローチャート及びその解説を別添3に掲げたので、実務の参考とされたい。

11)マンションの管理状況などの情報開示

大規模修繕工事の実施状況や予定、修繕積立金の積み立て状況などの情報を開示する場合の条項が整備されました。(第64条、別添4等)

~ 第64条 ~  ※新設

  • 1 理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を、書面又は電磁的記録により作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる
  • 2 理事長は、第32条第三号の長期修繕計画書、同条第五号の設計図書及び同条第六号の修繕等の履歴情報を、書面又は電磁的記録により保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
  • 3 理事長は、第49条第5項(第53条第4項において準用される場合を含む。)、本条第1項及び第2項並びに第72条第2項及び第4項の規定により閲覧の対象とされる管理組合の財務・管理に関する情報については、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求に基づき、当該請求をした者が求める情報を記入した書面を交付し、又は当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。この場合において、理事長は、交付の相手方にその費用を負担させることができる。
  • 4 省略
12)その他所要の改正

マンションの建替えの円滑化等に関する法律の一部を改正する法律(平成26年法律第80 号)の施行等に伴う改正や字句の修正等がされました。

※本ページは、国土交通省ホームページ「マンション管理について 改正にあたっての参考資料」(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html)を基に作成しております。

別添1~別添4は、国土交通省ホームページ「標準管理規約及び同コメント(単棟型)(PDF)
(最終改正 平成28年3月14日国土動指第89号、国住マ第60号)」69ページ以降をご覧ください。
国土交通省ホームページ

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